鑑定・分析・調査は、主に法的根拠を立証する証拠を作ることや、根拠を示してプロが適切な提案・助言を行うことを指します。特に裁判所を通じた手続きをする際は、証拠をもって立証しないと主張が認められません。
示談交渉する際も、もし裁判をした時に立証できる根拠があるかないかで相手方の対応が変わってきます。鑑定・分析・調査業務の種類と、それぞれどのようなことができるのかまとめました。各業務の詳細ページでは料金相場の目安や、よくある依頼事例などを詳しく解説しています。
筆跡鑑定は自筆の文章やサインを本人が書いたものなのか、筆跡から鑑定します。
このほか、書いた本人を特定しなくても、他の書類などと同じ人が書いているか判断することも可能です。たとえば、本来は従業員しか書かかない領収書を第三者が不正に書いて捏造したものではないかなど。
なお、筆跡鑑定は公的な資格があるものではなく、鑑定結果が必ずしも裁判の判決に反映されるとは限りません。
契約書や公証遺言書の書面など名前だけの少ない文章については、筆跡鑑定ができないこともあります。署名や自筆の文章を書いた人が誰なのか証明したい場合は、筆跡鑑定の特性と傾向を理解することから始めましょう。
殺人事件を描いたドラマや映画で、事件現場から指紋を採取して鑑定するシーンがよく出てきます。指紋鑑定は刑事事件が発生した際に警察が行うケースが多く、殺人などの重大事件だけではなく万引きや食い逃げなどの犯罪でも指紋採取が行われるケースがあります。
警察が行う指紋鑑定は警察内で行われますが、民間の指紋鑑定機関を利用することも可能です。警察の捜査で指紋が出なかった場合や再調査をしたけどすぐに対応してくれないシーン、証拠がない理由で警察が動いてくれない場面などで自費調査の需要があります。
スキャナーやカメラとコンピューターを使った指紋鑑定の精度は年々高まっていますが、指紋が出てきても逮捕の決め手になるとは限りません。
このほか、指紋が残る期間や指紋が採れにくい材質など、民間機関での指紋鑑定を検討している方に役立つ情報をまとめました。
声紋鑑定は人の会話や発言を録音した音声データを元に、本人が発した言葉なのか?同一人物が発した言葉なのか?などを鑑定します。
このほか編集や改ざんがされていないか調査することもでき、昨今は音声編集ツールの普及によって声紋鑑定の需要が高まっています。
裁判において相手に内緒で会話を録音する秘密録音は証拠として認められることがあり、音声データは重要な証拠です。
ただし、争っている相手から「こんな発言はしていない。捏造したものだ」などと反論された場合は声紋鑑定を証拠として求められる場合があります。
証拠として出した音声データだけで相手が認めることも多いので、声紋鑑定は弁護士の助言を聞いた上で利用するか検討してください。以前は一部を切り取って都合の良い内容に見せかける音声データ改ざんが多かったですが、昨今は人の声をAI音声にして読み上げさせるツールが普及し、本人が全く発言していない音声データをでっち上げる犯罪が増えています。
DNA鑑定は主に親子の血縁関係を証明する目的と、事件現場に残された毛髪などが誰のものであったかの証明で利用されます。個人が民間の鑑定機関へ依頼するのは主に親子関係の証明で、浮気や不倫相手との間にできた子供ではないか?などの確認で鑑定を受ける方が多いです。
DNA鑑定に必要なサンプルは毛髪、血液、口腔粘膜などがあります。ごく稀に、自宅の寝室を使って不倫をして、そこに落ちていた髪の毛をDNA鑑定して不倫の証拠にする目的で鑑定を受ける方もいます。
DNA鑑定は指紋鑑定に比べて精度が高く、本人のものと一致しているか判断しやすいです。
ただし、DNA鑑定を元に滞在していた場所や行動内容を証明するには、採取したサンプル(髪の毛など)が本当に現場から採取したものなのか証明しないといけません。
名前の通り「浮気(不貞行為)をしていたかどうか」を調査する業務のことで、探偵事務所・興信所など許認可を受けている事業所が取り扱っています。
なぜ調査が必要なのかというと、慰謝料請求が認められるには裁判所に「不貞行為の証拠」を提出しなければならないためです。
具体的には「ホテルへ出入りする姿」「浮気相手の家に通う又は旅行の様子」などの写真が挙げられ、大半が尾行・追跡といった地道なものです。
そのため、浮気調査 には多大な時間・人件費が必要となり、場合によっては100万円超…なんてことも珍しくはありません。
数時間からの可能な「ピンポイント調査」や、証拠が得られた場合にのみ報酬を支払う「成果型報酬」などに対応する探偵事務所もありますので、ご自身にあったプランを是非探してみてください。
▼参考サイト
素行調査も浮気調査と同様に探偵事務所や興信所が尾行などで地道に対象者を追跡して行動パターンや人との繋がりを調査します。
借金・前科・離婚歴が無いかなどを調査する依頼も多いですが、個人情報の管理が徹底されている現代では探偵でも調べられる範囲が限られています。
たとえば犯罪歴の場合、警察がデータで管理をしていますが事件が起きない限り犯罪歴は調査しませんし、民間が調査対象者の犯罪歴を照会することはできません。探偵事務所や興信所へ犯罪調査した場合、ネットや新聞で過去の事件が報道されていないか?過去の事件に関連した人に会いにいっていないかなど、地道な方法で調査します。
素行調査や信用調査で幅広い項目を扱っている探偵事務所がありますが、いくらプロの探偵でも項目によっては調査できる範囲と精度が限られています。
探偵事務所や興信所が専用の機械を使って発信器や盗聴器が仕掛けられていないか確認します。
ストーカー被害に遭っている方からの依頼が多く、プロの手にかかれば簡単に発信器や盗聴器を見つけることが可能です。
調査費用が比較的安いので、不安があれば安心を得るためにも一度調査をしておくとよいでしょう。
プロによる鑑定や調査は高額な費用がネックになりますが、簡易的な鑑定をできるアプリが普及しています。
精度はピンキリですがAI技術の発展と応用によって、スマホカメラで撮影するだけなど手軽なアプリでも相応の精度を確保しています。
ただし、証拠として使えるかは別の問題で、アプリの鑑定結果が決め手になった判例はありません。
それでもプロへ依頼する前の段階として、鑑定に使えるアプリを試してみる価値があるでしょう。
指紋・DNA鑑定・浮気調査など、プロの技術を利用した調査・分析についてご紹介します。
調査に使えるアプリは主にGPSを利用した行動履歴や今いる場所を探すアプリと、発信器などを探せるアプリの2種類です。
GPSアプリは調査したい人のスマホにアプリをインストールして、バックグラウンドでアプリを起動させておく必要があります。
発信器を探せるアプリについては、基本的にスマホ本体に発信器の電波を探知できる機能はないですが、Bluetoothなどでスマホと連携させられるツールを使うことでスマホが調査機器に変わります。