鑑定や分析に関して気になる情報をお届け

民間でも指紋鑑定依頼はできる!料金・識別システム・精度

指紋鑑定は警察が行うものだけではなく民間業者へ自費で依頼することもできますが、民間からは警察の指紋識別システムの照会ができなくて費用相場が高いです。それでも指紋は証拠の決め手になることが多くて時間の経過で消えるものなので、必要に応じて弁護士と相談しながら自費での指紋鑑定を検討するとよいでしょう。

指紋鑑定

指紋

 

人それぞれ指紋が異なり、素手で触ったものには指紋が残ります。そして犯行現場などから採取・鑑定した指紋が事件の証拠になることは多くの方がご存じでしょう。
指紋鑑定の多くは刑事事件が発生した際に警察が行いますが、個人が民間業者に指紋鑑定を依頼することもできます。

 

 

指紋鑑定の費用相場

 

指紋鑑定にかかる費用はピンキリですが、指紋の採取・検出から鑑定、報告書作成まで全てを行った場合最低でも10万円前後かかります。
裁判での証拠として使いたい場合は安くても30~50万円以上かかり、依頼内容によっては100万円を超えることもあります。

 

 

指紋識別システム

 

警察は事件が起こった際に犯人や容疑者から指紋を採取し、それを指紋識別システムで管理しています。
新たな事件の捜査で指紋が検出された際は、警察の指紋識別システムで犯人探しをすることが可能です。
一方で指紋がはっきり検出されたとしても、指紋識別システムに登録されていない容疑者の指紋を採取することができなければ、犯人を特定することができません。

 

民間の鑑定業者を使うなど自主的に指紋を検出しても、警察や検察の判断なくして指紋識別システムの照会をすることはできません。
民間の実費鑑定で全てを証明したい場合は、間違いなく本人の指紋があるサンプルもしくは本人の協力によって得た指紋データと、犯人の指紋が付着していると思われるサンプルを用意する必要があります。
重要な証拠として新たな指紋の検出が行えた場合は、検察が指紋識別システムの照会をしてくれる場合があります。

 

 

指紋が残る期間

拇印を押す

 

指紋が残る期間は触った物の材質と触った時の指の状態、その後の保管・経過状況によって変わります。
指紋が残りやすいものは紙類で、一度ついた指紋は消えにくくて保存環境がよければ10年以上前の指紋が検出されることもあります。
金属やガラス、プラスチック、ビニールなど表面がツルツルしているものは2~3ヶ月しか指紋が残りません。
また、指紋は紫外線や水分、乾燥など様々な条件によって検出できる期間が変わります。クリームなど油分が手に付着した状態だと指紋が長期間残りやすいです。
布や皮など表面がザラザラしている素材だと、鑑定可能な指紋自体が検出できないことが多くなります。

 

新たな物的証拠が出た場合は、提出することで警察もしくは検察が鑑定してくれますが、些細な事件では警察がすぐに動いてくれないことがあります。
警察・検察のスピーディーな対応が期待できない場合は、民間の鑑定業者を使って指紋の検出だけでもしておくと後々有利になるかもしれません。

 

 

指紋鑑定の精度

 

完璧に指紋を検出できれば非常に高い精度で鑑定できます。
ちなみにスマホや電子ロックの指紋認証は、ごく稀に指紋が似ている人だと誤認してしまうことがあります。
また、指先の怪我や肌荒れなど一時的な要因で、素手で触ったものでも綺麗に指紋が残らないことがあるので、間違いなく本人が触ったものでも正しい鑑定結果が出るとは限りません。
ちなみに指紋は生まれてから死ぬまで一生変わることがないので、指先を怪我して指紋が壊れていても、時間の経過で指先の皮膚が治癒すれば再び同じ指紋になります。

 

指紋鑑定は刑事事件などで使われて重要な証拠になることが多いですが、DNA鑑定に比べると精度が低いです。
まずは警察に相談をして、すぐに対応してくれるか分からない場合は弁護士に自費で指紋鑑定をするべきか相談するとよいでしょう。