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録音した声が証拠となる!声紋鑑定が役に立つ場面やその注意点

声紋鑑定は音声データを元に本人が発言したもので加工や編集がされていないことを証拠として立証するためのものです。なお鑑定を受けていない音声データでも相手が認めれば声紋鑑定を受ける必要がありません。浮気の自白など夫婦間のトラブルで秘密録音する際の注意点など音声データで証拠確保する方法についても解説しています。

声紋鑑定

会話する人々

 

声紋鑑定は人が発言している音声データが、本人による発言なのか鑑定します。
指紋鑑定やDNA鑑定、筆跡鑑定などは第三者ではなく本人のものなのかが焦点になりますが、声紋鑑定の場合は加工・編集された音声データではないかが焦点になることが多いです。

 

 

音声データの証拠

 

ボイスレコーダースマホの録音アプリを使って入手した音声データは、裁判の証拠として認められることがあります。
ただし、音声データは映像(画像)に比べて捏造しやすいため、争っている相手方が自分の発言した音声ではないと否定されると証拠として認められないことがあります。
こうしたトラブル発生時に声紋鑑定を受けることで、事実を立証することが可能です。
ただし雑音が多い場合や調査する人の発言が少ない場合は、精度の高い鑑定を受けられない場合があります。

 

まずは音声データのみの証拠を提出・提示して、状況を見ながら弁護士と相談した上で声紋鑑定を受けるか検討するとよいでしょう。

 

ちなみに声紋鑑定は国や裁判所が認めた証拠の立証方法ではありません。
相手方が鑑定書の結果を否定すれば事実確認を争う状況が続きますが、プロによる鑑定結果を覆すには他の業者などから再鑑定を受けないと立証するのが困難です。
そのため声紋鑑定が出た場合は、その結果が証拠として採用されて裁判所での手続きが進められるケースが多いです。

 

 

声紋鑑定は高額

 

声紋鑑定にかかる費用相場はピンキリですが、裁判の証拠として立証する鑑定を求める場合は50~100万円以上かかるケースが多いです。

 

また声紋鑑定をする音声データによって鑑定する際の手間や期待できる精度が大きく変わるため、まずは予備検査を受けてから鑑定書や意見書作成に進むか決めることができます。
無料相談や無料での予備検査をしてくれる業者もあるので、音声データが本物なのか争う状況になったら早めに業者へ相談するとよいでしょう。

 

 

会話の録音は合法?

ボイスレコーダー

 

離婚協議不倫の自白を迫るやりとりなど、個人の係争を目的に会話を録音しようとする人がいます。
相手の合意を得ずに会話を録音することを「秘密録音」と呼び、状況によっては秘密録音は違法にならず、裁判の証拠として認められる判例が多数あります。
話し合いをする相手が発言の内容を後から否定する可能性がある場合は、秘密録音による証拠確保を検討してみてください。

 

なお、秘密録音は当事者同士の話し合いなど認められるシーンが限られていて、やり方を間違えると盗聴行為として刑事責任を問われる恐れがあります。

 

配偶者が自宅で不倫している可能性があり、行為をしている音声を録音しようとする行為はNGです。
証拠を残す目的で秘密録音をしたい場合は、事前に専門家へ相談しておくとよいでしょう。
音声データで証拠を確保する際は、弁護士のほかに探偵事務所や興信所でも適切な助言をもらうことができます。